置き配ができる条件
置き配は、いつでも自由にできるわけではありません。次のいずれかが必要です。
- 受取人がアプリや配送業者のシステムで置き配を指定している
- 荷主のルールで置き配が標準の運用になっている
- 受取人から直接、その場で了承を得た
指定がないのに独断で置くのは、原則としてやってはいけません。トラブルが起きた場合、全面的にあなたの判断責任になります。
置いてはいけない荷物
置き配指定があっても、次の荷物は対面での受け渡しが必要になることが一般的です。
- 代金引換。 代金を受け取る必要があるため、置けません。
- 年齢確認が必要な商品。 酒類、たばこなど。確認せずに置くのは法令上の問題になり得ます。
- 本人限定受取。 指定された本人以外に渡せない荷物です。
- 生鮮食品・冷蔵冷凍。 品質が損なわれます。放置すれば全損です。
- 高額品。 荷主のルールで対面が指定されていることが多い。
- 医薬品など、扱いに条件がある荷物。
迷ったら置かないでください。持ち帰って再配達にするほうが、置いて失うより圧倒的に安い。
置き場所の選び方
置き場所は、次の4条件をすべて満たす場所を選びます。1つでも欠けたら別の場所を探してください。
濡れない
雨がかからない位置。軒下、庇の下、玄関の凹み。今晴れていても、夜に降る可能性を考えます。
外から見えない
道路や通りから直接見えない位置。門の内側、玄関ドアの脇。盗難のリスクを下げる最大の要素です。
通行の邪魔にならない
ドアの開閉、階段、通路を塞がない。特に高齢者や車椅子の通行を妨げる場所は避けます。
そして4つ目が、直射日光が当たらないことです。夏場の炎天下に数時間置かれると、食品でなくても中身が傷むことがあります。
写真の撮り方
ここが最も重要です。写真は「確かにここへ置いた」ことを証明するための記録です。荷物だけを撮っても、証明になりません。
正しい写真には、次の要素が同時に写っている必要があります。
- 荷物そのもの。 ラベルが読める必要はありませんが、荷物が写っていること。
- 場所を特定できる要素。 表札、部屋番号、玄関ドアの特徴、門扉、独特な植木。「どこの家か」が第三者に分かる情報です。
- 周囲の状況。 少し引いて撮ることで、置いた位置関係が分かります。
推奨は2枚です。1枚目は引きで場所が分かる写真、2枚目は寄りで荷物の状態が分かる写真。アプリが1枚しか登録できない場合は、引きの写真を優先してください。
荷物のアップだけを撮る。これでは「どこの玄関か」が分かりません。「届いていない」と言われた時、この写真では何も証明できません。必ず場所が特定できる要素を入れてください。
盗難が起きた場合の責任
正直に書きます。置き配後の盗難は、状況によってあなたの責任が問われる可能性があります。
指定された場所に、指定どおりに置き、適切な写真を残していれば、原則としてドライバーの過失は問われにくくなります。しかし、指定と違う場所に置いた、道路から丸見えの場所に置いた、写真がないという状況では、判断があなたに不利に働きます。
貨物保険についても、置き配完了後の盗難は輸送中の事故に該当しないと判断され、補償の対象外となることがあります。つまり、自己負担になる可能性があります。
水濡れが起きた場合
置いた時は晴れていた、という言い訳は通用しにくいものです。雨が当たらない場所を選ぶことは、置き配の基本動作とされています。
どうしても濡れない場所がない場合の選択肢は2つです。ビニール袋で養生してから置くか、置かずに持ち帰るか。養生する場合、袋をかけたことが分かるよう写真に残してください。
マンション共用部に置く際の注意
集合住宅では、追加の配慮が必要です。
- 管理規約で置き配が禁止されている建物がある。 掲示を確認してください。禁止されている場所に置くと、管理会社からクレームが入り、会社に苦情が届きます。
- 共用廊下を塞がない。 消防法の観点から、避難経路に物を置くことは問題になります。
- 宅配ボックスがあるなら、まずそちらを使う。 ボックスがあるのに玄関前に置くのは、多くの場合ルール違反です。
- 1階のエントランス内に置かない。 誰でも触れる場所であり、盗難リスクが高い。
置き配の判断で迷った時、持ち帰るという選択肢を忘れないでください。再配達で失うのは10分程度です。誤った置き配で荷物を失えば、弁償と信用の両方を失います。天秤にかけるまでもありません。
受取人とのコミュニケーション
置き場所について要望を聞けた場合は、必ずメモしてください。「宅配ボックスがいっぱいの時は玄関の右側へ」「門の内側の物置の上へ」。この記録があると、次回から迷いません。
同じ家に何度も配る中で、こうした情報が積み上がっていきます。これがトラブルを減らし、結果的にあなたの時間を守ります。
なお、置き配をめぐる責任の所在や補償の範囲は、荷主や元請けとの契約内容によって異なります。取引条件は書面で確認できる状態にしておくべきものです。契約時に、置き配後のトラブルについてどう扱われるのかを確認しておいてください。