「配達中だから大丈夫」は通用しない

最初にはっきりさせます。荷物を配達している最中であっても、駐車が禁止されている場所に停めれば違反です。仕事であることは、取り締まりを免れる理由になりません。

特に都市部では、放置車両確認事務を民間委託した監視員が巡回しています。彼らは配達中かどうかを判断する立場にありません。停まっている車を確認し、条件に該当すれば標章を貼ります。

放置駐車違反が成立する仕組み

放置駐車違反は、運転者が車両を離れて直ちに運転することができない状態になった場合に成立し得ます。エンジンをかけたまま、ハザードを点けたままでも、運転者がその場を離れていれば対象です。

つまり、荷物を持ってマンションの5階へ上がっている間は、まさにその状態です。数分だから大丈夫、という理屈は成り立ちません。

確認標章が貼られると、その後の手続きに進みます。反則金の納付、または放置違反金の納付という流れになります。加えて、運転者が出頭して反則金を納めた場合は、違反点数も付きます。

反則金は経費にできません

罰金や反則金は、税務上の必要経費として認められません。つまり、支払った金額がそのまま手取りから消えます。同じ1万円でも、経費になる支出とは意味がまったく違います。ここを勘違いしないでください。

切られやすい場所

  • 駐車禁止標識のある道路。 当然ですが、見落とす人が多い。特に路地に入った先の標識は確認を怠りがちです。
  • 商店街と繁華街。 苦情が多い地域は巡回頻度が高くなります。
  • 駅前とオフィス街。 交通量が多く、監視が厚い。
  • 交差点付近、横断歩道の前後、バス停の近く。 標識がなくても法令上停められない場所です。
  • 消防設備の周辺。 消火栓や防火水槽の付近は駐車が禁止されています。
  • 片側1車線の道路の車道上。 通行を妨げるため、通報されやすい。

切られやすい時間帯

取り締まりの傾向として、平日の日中、特に10時から16時頃に巡回が集中しやすいと言われます。人の往来が多く、苦情も入りやすい時間帯です。

逆に、早朝や夜間は巡回が少なくなる傾向がありますが、これは「停めていい」という意味ではありません。事故や苦情のリスクは変わりません。

減らすための具体策

車を離れる時間を短くする

最も効果的です。1棟の荷物をまとめて持って行き、往復をなくす。滞在時間が3分と15分では、リスクがまったく違います。

コインパーキングを使う

300円払って安心して回れるなら、安い投資です。反則金と比べれば桁が違います。経費にもなります。

荷捌き用スペースを探す

地域によっては貨物車用の荷捌き駐車区画が設けられています。担当エリアにあるか確認してください。

加えて、建物の敷地内に停められないかを確認する価値があります。マンションの来客用駐車場や、企業の構内。管理室や担当者に事前に聞いておけば、許可をもらえることがあります。

停める場所を決めておく

その場で判断すると、焦って悪い場所を選びます。担当エリアごとに、停める場所を事前に決めておいてください。

マンションAならこの位置、商店街はこのコインパーキング、この通りは絶対に停めない。この判断があらかじめできていると、迷う時間もなくなり、違反リスクも下がります。これはルートの一部として設計する項目です。

危険な場所には絶対に停めない

反則金より重大なのは事故です。カーブの先、坂の頂上付近、見通しの悪い交差点。ここに停めると、後続車や歩行者が危険にさらされます。「取り締まりが来ないから」ではなく「人を傷つけないか」で判断してください。

切られてしまった場合

  1. 標章を剥がさない。 貼られた確認標章を勝手に剥がす行為は、それ自体が問題になります。
  2. 会社・元請けへ報告する。 隠しても後から分かります。先に報告してください。
  3. 手続きに従って納付する。 放置しても解決しません。督促が来て、車検が受けられなくなる場合もあります。
  4. 同じ場所で繰り返さない。 一度切られた場所は、監視の対象になっています。次も切られます。

納付先や手続きの詳細は、標章や通知書の記載に従ってください。

会社の車両で切られた場合

リース車や会社所有の車両の場合、車の使用者宛てに通知が行きます。この場合の負担がどうなるかは、契約によります。ドライバーの負担とする定めがあることが一般的です。

契約書を確認し、駐車違反の反則金・違反金を誰が負担するのかを把握しておいてください。

累積で仕事を失うことがある

違反点数が累積すれば、免許停止になります。免許がなければ、この仕事はできません。1回の反則金より、この可能性のほうがはるかに重大です。

加えて、駐車違反を繰り返すドライバーは、地域住民からの苦情という形で元請けに伝わります。特定のエリアで名前が挙がると、そのエリアの担当を外されることもあります。

停める場所の判断は、単なる違反回避ではなく、そのエリアで長く働き続けられるかどうかの問題です。急いでいる時ほど、あと10メートル先の安全な場所を選んでください。交通ルールについては警察庁の情報も確認できます。